YOHSEI = Life Awakening Arts
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大学体育養生学研究会 設立趣旨
 20世紀後半の科学技術が著しく進行するさなかにあって、わたしたちの日常生活は確かに豊かで便利になりましたが、現代人は、人工的環境に包囲されてしまい、自然との関係において『生』を営む人間の生活を忘れがちになっております。
 そしていつしか、人間の「精神」と「身体」との乖離現象を引き起こしてしまい、ここにきて、わたしたちはさまざまな問題に直面することになりました。21世紀になり、いま体育教育も、転換期を迎えているように思われます。
 これまでの日本の「身体問題」「健康問題」「教育問題」などを見直し、これからの「からだの見方」「からだの育て方」に焦点を合わせながら、『生の問題』と『人間の生活』との関係を問い直す必要があるのではないでしょうか。
 ところで東洋的な考え方には、それぞれの「内なること」、誰にでも備わっている「内なること」、換言すれば「自分」にしか存在していない「内なること」を問うことに重点がおかれています。しかしながら現代社会に生活するわたしたちは、この「生」の実相である、一人ひとりの「内なること」を問うことに疎遠になっています。
 困ったことに現代人は、目に見えないその内面を評価することを忘れてしまって、目に見える外面ばかりに囚われています。外面のみに惑わされてはなりません。内面に存在する核を見つけ、その核を膨らませて育てなければなりません。「生」を育むこととは、その核を膨らませて、内外を交通させることにほかなりません。
 現代日本における最大の教育課題は「生きる力」の疎外問題にあります。言うまでもなく、「生きる力」の衰退現象は、人間疎外という局面において、子どものみに働くのではありません。だとしたらこの問題は日本の危機の時代を象徴しています。この「生」の枯渇という人間疎外問題に、はたして、大学が、大学体育が無関心であってもいいのでしょうか。そこでわれわれは、この危機の時代の打開を図るために、その視座を原点に据えなおして、生活の「知恵」を追究するために、「大学体育東洋養生法研究会」を設立することになりました。
 西洋的近代科学の考え方を拠り所として生活している現代人は、束洋の伝統的な養生法に対して、「古いもの」「科学的でないもの」と考えがちです。西洋的近代利学が日本に登場しだしてからわずかな時間しか経っていません。ところがわたしたちは、そのわずかの間に、日本古来からの、あるいは東洋思想としての、知恵を忘れ去っているようでもあります。
 これまでの東洋古来の養生思想や健康思想を一瞥するだけでも、そこには、大いなる文化遺産の数々を見つけることができます。わたしたちは、この大いなる文化遺産を忘れ去るのではなく、現代科学の貢献を頼みとしつつも、同時に「原点」と「科学」との、あるいは「東洋思想」と「西洋思想」との融合を図りながら、人間存在を「生」の原点から全方位に理解していくことが問われているのです。
 本会は、そうした研究成果にもとづいて、日本の時代状況を照射しながら、「からだの原点」を問いなおす視点から問題提起を発信し、広く各界に裨益することを目的にしています。本会は、また大学体育を発信基地として、研究成果を踏まえながら、地域社会への普及活動を行うことも実践目標としています。

 本会へのご入会を、大学体育関係者のみならず、
                   あらゆる分野から、お待ち申し上げます。

日本養生学会事務局
東京女子大学現代教養学部健康・運動科学
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