YOHSEI = Life Awakening Arts
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からだ博協力参加「夕食会」より
日  時  2004年8月7日(土) 18:00〜
会  場  東京デックス ビーチ  シーサイドモール  6F
       和食・居酒屋  「えの木.」
アクセス  ゆりかもめ『お台場海浜公園』駅 下車
出席者(順不同・敬称略)
小木曽 友(アジア学生文化協会)、佐藤節子(埼玉女子短期大学)、和田 勝(日本大学)、天野勝弘(関東学園大学)、美馬美千代(上智大学)、張勇(長野県短期大学)、近藤洋子(国際基督教大学)、久保隆彦(明治学院大学)、宮本知次(中央大学)、むね(光風霽月の会)、園部真理(東京女子大学)、跡見順子(東京大学)、早田千家子、(池田裕恵)(東洋英和女学院大学)、長谷川洋三(日本経済新聞社)、鈴木明(聖学院大学)、横沢喜久子(東京女子大学)等
 多くの方のご協力によって、日経新聞者・NHK主催“見える・わかる家族の健康からだ博に“の日本養生学会として盛会に進められましたことに感謝いたします。日本でスタートした「からだ博」という新しい試みに医療からだけでなく、生命の躍動を引き出す、ようせい養生(生き生きした力、もって生まれた力を引き出す、生きる力を養う)に取り組む私たちに機会を与えてくださった理事の長谷川洋三さん(日経新聞社 論説委員)ありがとうございました。このオープニング・レセプションにも出席させていただき、日本の健康・からだ問題をリードするトップの方々にお目にかかり、「21世紀は医療の時代から健康を創り出す、生きる力を養い、生き生きとしたからだ・こころ・いのちはぐくむ教育・文化面にも大いに力を注ぎ、予算がつけられるような時代を」と語り、今後もご協力をお願いいたしました。日本養生学会ではこのからだ博で新しい視点を多くの参加者に大いに伝えることができたのではないかと思います。「からだわかるセミナー」にご講演に帯津良一氏、跡見順子氏、「みんなの運動コーナー」に天野勝弘氏、美馬美千代氏、近藤洋子氏、張勇氏の6名の先生方をはじめ、お忙しい中、皆様のご協力、ご担当いただきありがとうございました。

オープニングセレモニー
8月7日(土) 時間:10:30-12:00 (90分)
タイトル「気功とがん治療」
帯津良一先生
日本養生学会顧問 (帯津三敬病院名誉院長)
 インターネットの事前申し込みでもすぐに定員いっぱいとなり早く締め切られました。会場は満席、皆は先生のゆったりと穏やかな世界につつまれ、すばらしいお話でした。健康のときも、病にあっても人間を大きく、丸ごと捉え、いのちの場に生命の躍動をもたらせ、心にときめきを感じさせること、虚空と一体化させ、エネルギーを高めるのに呼吸法、気功は大いに有効であるのではないかと語られ、医療の理想を求めて作られた先生の病院に20数年間気功を取り入れているご様子を実例とともにご紹介いただきました。先生が人間を愛され、ひとりひとりのいのち大切に“はまなすや 今日も沖には未来あり”といくつになっても、どんなからだの状態にあっても、未来があり、さらに、あの世にもつながっていく永遠ないのちの広がりのお話に私はジーンと熱きものを感じました。
8月7日(土) 時間:15:00-16:30(90分)
タイトル「運動は細胞へのダイナミックな働きかけ」
跡見順子先生
日本養生学会常任理事 (東京大学大学院総合文化研究科教授)

 跡見氏は中々見ることのできない動く心筋、脂肪細胞等のカラフルな美しい映像作成され、ふんだんに貴重な細胞の動く姿を見せてくださり、まるで実験しているかのように私たちの視覚に残る、衝撃的なものでした。「からだは細胞のすみかであり、わたしはそのすみかのあるじである」と語られ、とかく自分のからだと切り離されて考えがちな細胞・DNAについて基本的なことをわかりやすく映像で語っていただけました。私が運動すると細胞も住みよく、心地よくなるといいます。参加された誰もが「私を生かしてくれる細胞くーん!ミトコンさーん」と声をかけ、今まで意識していなかった自分とからだとの会話、からだへの心遣いが意識されたのではないしょうか。跡見氏自身が「生きていること」を慈しみ、元気に、はつらつと美しく、熱のこもった講演でした。内容もわかりやすく、細胞レベルで動くことが身近な生活につながったのではないかと思います。参加者の中には帰り際に「毎日、ストレッチをしよう!」「からだを動かしたくなってきた」との会話も聞かれ、皆に自分のからだのけなげさにいとおしさが募ってきたのではないでしょうか。
8月3日(火)10:30-12:00
タイトル「からだほぐし、こころほぐし」
天野勝弘先生   日本養生学会常任理事  (関東学園大学助教授)
美馬美千代先生  日本養生学会常任理事  (上智大学教授)

 本当の安らぎは、心地よい状態にあり、からだに緊張のかかっていない、無理のない状態を作り出すことで実現できるといわれ、からだを緩め、動きを通して心に働きかける運動をご紹介いただきました。天野先生はボディワークとして赤ちゃんの動きをとらえ、寝返ったり、転がったり、立ち上がったりという無理のない、無駄のない動きを試みました。毎日の生活で凝り固まっていた関節、筋肉がほぐされ、参加者は赤ちゃんに戻ったようにからだが柔らかく、こころも解放され、表情も優しくなっていました。美馬先生の講座では、ゆっくり、ゆったりと太極拳や気功に見られる動きを取り入れてのセルフ アウェアネスでした。こうした動きによって自らの感性を高め、からだ、こころの声を聴くことができます。こころとからだを結び、バランス・ハーモニーの取れた心地よい感覚とともにからだもこころも気持ちよくほぐされていくようです。会場ではお二人の説得力あるお話に引き込まれ、誰もが年齢や体力の有無に関係なく、苦しまず、楽にからだを動かすことによってこころもからだも心地よくなれる世界を知ることができたのではないでしょうか。お二人の若々しく、お揃いのからだ博ロゴ入りシャツのお姿はさわやかでとてもよかったです。
8月5日(木)12:30-13:15  
タイトル「日本の宝を手に入れる!民俗舞踊に学びましょう!」
近藤洋子先生   日本養生学会理事(国際基督教大学助教授)
近藤清先生   (民俗芸能研究会主宰)他
 今回は600年代の半ばに田遊びとして起こり、平安時代には田楽と名の変わっていった筑子(こきりこ)踊りを取り上げられました。洋子先生は日本昔話の世界から突然現われでて、当時の日本庶民文化が伝わってくるような踊りの世界を展開されました。幼稚園の子どもからかなりの年配者の方々が皆、一緒になって参加者は筑子竹、棒さらさを持って、円くなってシンプル化された筑子(こきりこ)踊の振りを習いました。いたってシンプルな動きなのですが、私は右とか左、上とか下と考えながら動きを覚えていました。そっと幼い子どもたちの様子を見ると何と自然にさりげなく。すぐに馴染んで気持ちよさそうに踊っていました。日本のねじらない、ひねらないと自然で合理的な、最小限の動きで最大の効果を発揮するという伝統ある庶民文化の身体づかいです。続いて洋子先生の味わい深い筑子唄に合わせて踊り、皆も「・・・〜窓のサンサもデデレコデン はれのサンサもデデレコデン〜・・・・」と唄い、楽しみながら、バランスよく動き出しています。さらに鼓、清先生の横笛が加わって、何ともいえず心地よく「ピーヒャラ〜ピーヒャラ、ドンドン〜」と踊りました。私たちのからだ・こころに静かに眠っていた魂が騒ぎ出し、からだ全体がよろこんできました。
8月7日(土)12:30-13:30
タイトル「太極拳って何?
       〜馬王堆漢墓導引図(2000年前の健康体操)から探る」
張 勇先生    日本養生学会常任理事(長野県短期大学助教授)

 中国では早朝、どの公園でも型に合わせてゆっくり、ゆったりと動き、心地よさを味わっている太極拳をする光景をみかけます。今、日本中でも太極拳は非常にポピュラーになり、これまであまりからだを動かすことが得意でなかった方でも、アクティブなスポーツ経験者も中高年者からこどもまで幅広い人々に大きな関心が高まっています。 会場には参加者がいっぱい、会場の外にも多くの方が加わって、ウン、ウンとうなずきながらの熱心な受講でした。太極拳って何?まずは短い時間の中に私たち日本養生学会の一つの大きな柱である約2000年前馬王堆漢墓導引図から当時の健康体操を紹介され、太極拳とのつながり、奥行き深さが感じられました。次に、颯爽と張先生による簡化24式太極拳の演武です。会場では先生の動きに合わせていらっしゃる姿も多く見られました。私たちは、動くというと真っ先に身体を動かすことを思い浮かべます。まず、大地の上にしっかりと指を広げ、立つということに始まります。太極拳の動きは、内面の形を外に表したものです。内から動き出して形を外に表す、つまり、こころが形を作るということです。
このご講演を通して悠久なる中国の健康づくりの世界、何としても良かったことは忙しく動き回る毎日の中で、からだの見方、人間のとらえ方、地球・宇宙への広がりへと雄大な気持ちでつながっていけたことでしょう。プログラム終了後、参加者のお一人が感動して語ってくれました。「長いこと太極拳が好きで親しんでいますが、こうした講義、理論を聞く機会は初めてです。とても興味深く面白かった。ぜひ、またこの奥行き深い世界を紹介いただきたい」と。張先生ご苦労様でした。遠い長野県からのご協力に感謝です。
運動・スポーツ相談コーナー
文:横澤喜久子(東京女子大学)

日本養生学会事務局
東京女子大学現代教養学部健康・運動科学
横澤研究室内
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E-mail: youseigakkai@yahoo.co.jp